2019 年度中国支部研究発表会シンポジウム「ものづくりを通した建築教育」
PUBLISHED ON 2020.02.05
明治時代にジョサイア・コンドルや辰野金吾によって確立された建築教育は、100年以上の歴史の中で形を変えながら、時代を代表する建築家たちを輩出してきた。欧米の建築家像を取り入れながら、日本特有の大工文化と融合することで、日本独自の横断的な建築教育を確立してきたといっても過言ではない。
その建築教育に、再び大きな変化が訪れようとしている。様々な情報技術の発達により、建築を取り巻く環境は激変しており、建築家の職能や役割にも変化が求められている。同時に、建築を学ぶ学生を取り巻く環境もここ数十年で大きく変化した。情報社会が進み、意欲さえあればなんでも学べる時代になった一方、希薄する人間関係などにより、建築の学びに真摯に向き合う学生は少なくなっている。今後の建築の発展を担う、新たな建築教育へのアップデートが必要とされている。
本シンポジウムでは、建築教育における「ものづくり」に着目し、積極的に教育の現場でものづくりを実践する2つの大学の試みについて議論を交わすことで、これからの建築教育を考える機会とする。また、シンポジウム終了後には、広島工業大学の「デジタルファブリケーションラボ」の見学会を実施し、建築情報教育を展開するための設備やそこから生まれるアウトプットを紹介する。